紀元前521年から478年に古代小アジアのイオニア(Ionia)の都市フォカイア(Phokaia) で製造された古代ギリシャの「ディ・オボル銀貨」です。(オボルは古代ギリシャの貨幣重量基準で0.72g、ディはギリシャ語で2を意味します。)コインの表(おもて)面にはヘルメットをかぶりイヤリングを着けた女神アテネが描かれ、裏面には3つの正方形の刻印があります。こんな小さなコインに細密に花模様のイヤリングを描き妖艶なアテネを表現することが2500年前のギリシャ人に出来たとは驚きです。フォカイアは強力な海軍力で地中海全域に植民地(8枚目の地図参照)を拡大し、長距離航海による海上経済の繁栄を成し遂げた最初のギリシャの都市国家でした。しかし、紀元前547年にペルシャに征服され、以降、紀元前479年にスパルタやアテネのギリシャ連合軍がプラタイアの戦いでペルシャを小アジアから一掃するまでの68年間、イオニアはペルシャの属国になりました(9枚目の勢力地図参照)。このコインはイオニアがペルシャに征服されていた時代に製造されたため女神アテネはペルシャ系の顔をしています。アジア系の切れ長の目をした女神アテネのコインは非常に稀です。この目に魅力を感じコレクションに加えようと世界的なコイン専門ネットショップ「Vcoins」のイスラエルの店で購入しました。1枚目の写真は購入のお店提供によるもので、2枚目から7枚目の写真が現状です。サイズは直径10mm,1.3g(1円玉は20mm,1g)です。商品は写真のギリシャコインとプラスチックケースのみで他に付属品はありません。